初回公開日:2025年2月14日
企業活動に欠かせない存在である「情報システム部(情シス)」ですが、具体的にどのような仕事をしているのかは、意外と知られていないかもしれません。
本記事では、情シスの仕事内容や役割について、一般的な業務内容に加え、実際の社内運用事例を交えながらわかりやすく解説します。

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1:情シス(情報システム)とは?その役割と重要性
情シス(情報システム部)は、社内のITに関する「困った」を引き受ける部署です。PCやソフトウェアの管理、ネットワークの不具合対応、セキュリティ対策など、表には出にくい業務を通じて、日々の業務を下支えしています。
情シスの役割
一般的には、社内で扱うITインフラや情報システムについて、企画から導入、運用・保守までを一貫して担う部門です。日常業務でシステムが安定して使える状態を維持し、トラブルが発生した際には迅速に対応するなど、情報システムに対して責任を持って運用することが大きな役割といえます。
情シスは業務効率化そのものを目的とする部署ではありません。しかし、情報システムを安定して運用し続ける中で業務上の課題が見えてきたり、非効率な運用が見直されたりすることで、結果的に業務効率化や生産性向上につながることもあります。情シスは「課題解決や効率化を目的とする部署」というよりも、安定したIT基盤を維持する中で、事業活動を支える存在と捉えるほうが実態に近いでしょう。
また、セキュリティ対策(BCP対策を含む)については、情シスが担当する場合もあれば、セキュリティ専門の部署やチームが担当する場合、さらには外部へのアウトソーシングで対応するケースもあります。企業の規模や業種によって、情シスの業務範囲や役割は大きく異なるのが特徴です。
経営戦略における情シスの位置づけ
現代の企業において、情報システム部(情シス)は経営戦略を支える重要な役割を担っています。従来はIT機器の保守や運用が主な役割でしたが、IT戦略がコスト管理や業務効率化だけでなく、競争力の強化や新たな価値創出に直結するようになり、企業を成長させる上で情報システム部の役割も大きく変化しています。
情報システム部は、単なる技術部門ではなく、経営部門と連携して戦略を主導する役割が期待されています。なかでもCIO(最高情報責任者)は、経営層の一員として、情報システムを中心にIT戦略を立案し、企業全体の経営戦略へどう結びつけるかを主導する役割を担います。
特に、ビジネス全体の仕組みを変革するDXの観点からも、情報システムは企業の競争力強化や業務効率化を実現する上で、欠かせない存在となっています。
2:情シスの仕事内容
「情シスの仕事」と一言でいっても、企業の規模や業種、会社の方針によって業務内容も配置される人数も異なります。
情報システム部門では、日々の安定運用を支える業務から、中長期的なIT戦略に関わる業務まで、幅広い役割を担っています。
主な仕事内容は、次のとおりです。
- 会社で使うIT機器やネットワーク・サーバー構築・運用・保守
- 社内システムの開発・管理・運用
- ヘルプデスク業務
- BCPを含めたセキュリティ対策
- IT戦略の立案と実施

会社で使うIT機器やネットワーク・サーバー構築・運用・保守
企業で利用するネット―ワークやサーバーの構築、運用やメンテナンス等を行います。社内にネットワークに詳しい人材がいない場合は、アウトソーシング(外注)することもできる業務の1つです。
社内システムの開発・管理・運用
企業で利用しているサービス等のライセンスの契約(更新)や、アカウントの作成・権限設定を行います。また、システムの安定稼働を維持するために、定期的なメンテナンスやトラブルシューティングを行い、各種ソフトウェアやハードウェアの更新状況を管理します。さらに、利用者にトレーニングを実施して、業務効率化を支援しています。
ヘルプデスク業務
すべての従業員が滞りなく業務を遂行するために、パソコンの不具合や、ネットワークの問題、システムの動作不良等、従業員からの問い合わせに対応します。問題箇所を特定し、迅速に解決を図ります。他にも、使い方の分からないアプリケーションの説明等、業務に支障がでないように支援することも業務の1つです。
セキュリティ対策(BCPを含める)
BCP(Business Continuity Plan)とは、テロや災害、システム障害などの危機的な状況が発生した際に、企業の重要な事業を継続するための計画や対策を指します。この計画は、事業の中断を最小限に抑え、迅速な復旧を目指すものです。平常時に行う活動や、緊急時における事業継続のための方法や手段などを決め、対策を日常的に進める役割があります。情報資産の1つである電子データのバックアップをとることや、クラウド等にデータを保存しておくことで地震等の自然災害が発生した場合にも、被害を最小限に抑えて復旧ができるようになります。また近年では、ランサムウェアなどのサイバー攻撃が増加しているため、それに伴いセキュリティ対策も重要になっています。
中小企業庁からも、中小企業BCP策定運用指針が出ており、これから計画を検討される企業は参考になるかもしれません。
IT戦略の立案と実施
情報システム部における重要な業務の一つに、組織全体の目標やビジョンに沿ったIT戦略の立案と実施があります。この業務には、現状の課題を把握し、中長期的な視点でITを活用するための計画を策定することが含まれます。
例えば、システム統合や業務プロセスの自動化、クラウドの活用、BIツールの導入によるデータ分析などを通じて、業務の効率化やコスト削減、顧客体験の向上を実現し、企業価値を最大化することです。組織の持続的成長を支える中核的な役割を果たします。
事業戦略や市場動向を踏まえたITの役割や目標を明確にし、経営層や各部署と密接に連携していくことが重要です。
3:【社内インタビュー】情シスの業務紹介
ここでは弊社の情報システム部門(情シス)の業務について解説していきます。
クオリティソフト社情シスの業務をご紹介
弊社は国内に複数の拠点があり、従業員は合計200名弱、端末は約250台です。情報システム部には5名の人員が配属されています。5名はそれぞれ担当する業務が異なります。情シス内では役割分担を行っており、2名がインフラを担当、残る3名はシステム開発に関連する業務を中心に従事しています。それぞれが担当領域を持ち、日々の運用を支えています。
当社の情シス業務は、IT機器の管理から社内インフラの運用、社内システムの開発、自社Webサイトの更新、またDX推進に絡んだ業務まで多岐にわたります。現在は、AIを活用した業務効率化や問い合わせ対応の高度化についても検討を進めていますが、本章ではまず、情シス業務の基本となるIT機器(端末)の運用管理に焦点を当ててご紹介します。
IT機器の運用管理には、従業員が利用するPCだけでなく、会議室に設置されている機材の保守・運用も含まれます。室内のモニター設置や会議用機材(マイクやスピーカー)の準備、電源タップの設置まで、会議環境の整備全般を情シスが担当しています。
従業員には1人1台のパソコンが支給され、社員が利用するパソコンの選定、手配からレンタル業者への返却に至るまで、情報システム部で一元的に管理しています。
端末には、部署ごとに業務に必要なアプリケーションをインストールするなど、キッティング作業も行っています。すべての端末にチャットツールを導入しており、業務で利用する端末や機器に関する問い合わせは、チャットツールの専用チャンネルでやりとりをする運用としています。サポート依頼があった場合は、個別のチャットで対応するほか、拠点が離れている場合には遠隔操作によるサポートを行うこともあります。
情シスには、日々さまざまな問い合わせが寄せられます。
例えば、「社内利用ソフトのワンタイムパスワードが使えない」「VPNの設定をしてほしい」「社給スマホを利用できるように設定してほしい」「Web会議アプリが繋がらない」等、内容は多岐にわたります。
社内で使用するすべての端末を管理するために、自社製品である「ISM CloudOne」を活用しています。ISM CloudOneは、クラウド型IT資産管理システムで、企業で使用するパソコンやスマートフォンなどの端末を一元的に管理できる仕組みです。
情報システム部門では、日々の運用管理や問い合わせ対応を効率的に行うため、ISM CloudOneのさまざまな機能を活用しています。その中でも、日常業務で特に利用頻度が高い機能に加え、新たに導入された注目の機能を含めた、次の7つをご紹介します。
| 機能 | 機能概要 | |
|---|---|---|
| 1 | インベントリ収集 | ハードウェアやソフトウェアの情報を自動で収集する機能 |
| 2 | 配布 | ファイルやフォルダー等を特定の端末に配り、端末で使える状態にする機能 |
| 3 | リモート操作 | 遠く離れた場所にある端末を手元で操作する機能 |
| 4 | 脆弱性診断 (ダッシュボード) |
OSやソフトウェアに最新のプログラムが適用されているかを診断する機能 |
| 5 | 操作ログ | 利用者が端末を使って操作した内容を記録する機能 |
| 6 | 外部デバイス制御 | USBデバイスや外付けのハードディスク、タブレット端末などをパソコンに接続する際、接続の可否を管理/制御する機能 |
| 7 | スマートヘルプ ★新機能 |
生成AIを活用した自然言語によるオンラインヘルプ機能 PDFマニュアルをAIに学習させることで、利用者からの問い合わせに対して、マニュアル内容に基づいた回答を自動で提示します。 |
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情シスでは、端末の状態を把握するため、ハードウェアやソフトウェアの情報(インベントリ)が定期的に収集されているかを、ISM CloudOneのダッシュボードで確認しています。主な確認ポイントは、不審なアプリケーションがインストールされていないか、また脆弱性のある端末がないかといった点です。
セキュリティインシデントが発生した場合は、ISM CloudOneから管理者宛てにアラート通知が届きます。管理者は、ISM CloudOneでアラート対象となった操作ログを確認したうえで、必要に応じて他の製品のログや通信ログも照合し、総合的にインシデントの調査および状況把握を行っています。
情シスでは、2月・3月にレンタル期限を迎える端末の入れ替え作業を進めており、現在は約20台の端末の更新対応を行っています。
また、社内で利用しているPCについては、OSサポート終了に伴うセキュリティリスクを回避するため、2025年10月14日までにWindows 11へのOS移行を完了しています。
ISM CloudOneダッシュボード
他にも、社給スマートフォンの管理や社内の電話回線の運用が情シスの役割として新たに加わったことから、ISM SPPMオプション連携でモバイルデバイス管理を行っています。
PCを中心としたIT資産管理にはISM CloudOneを、モバイル端末や通信環境の管理にはSPPMを活用することで、用途に応じた運用体制を整えています。
端末や通信環境を一元的に把握し、運用負荷の軽減とセキュリティ強化を図っています。
詳しくはこちら
情シスの新たな取り組み
情シスでは、従来のIT機器管理やインフラ運用に加え、業務の効率化や利便性向上を目的とした取り組みを進めています。その一環として、過去に導入されたシステムや契約、利用状況が把握しきれていないサービスについても、継続的に整理・見直しを行っています。これらを可視化したうえで、将来の運用を見据えた管理体制の整備を進めています。
また、近年はAIの活用にも着目しており、現在は情シス業務や社内サポートへの活用可能性について、調査・検討を進めている段階です。具体的には、申請業務などあらかじめ社内ルールが決められている業務について、AIを活用した確認やフローの自動化を検討しています。これにより、確認作業の負担軽減や、対応品質の平準化を目指しています。
さらに、社内からの問い合わせ対応については、問い合わせBotの検証を進めています。マニュアルやFAQなどの情報をもとに、従業員が気軽に問い合わせできる仕組みを構築し、情シスの問い合わせ対応の効率化につなげていく予定です。
4:情シスに求められるスキル
情シスの業務は多種多様なため、求められるスキルも多岐にわたります。
ITに関する幅広い知識
社内システム全般を担当するため、ネットワーク管理やサーバー運用、クラウド環境などを含む幅広いITに関する知識が求められます。
また、進化を続けるクラウド技術やAI、IoT機器、データ分析といった新しい技術や製品への学習意欲も必要になります。プログラミングやデータベース管理のスキル、サイバー攻撃の手口や最新のセキュリティ対策方法についての知識は、システムの開発や安全性を担保するために欠かせません。
問題解決力やコミュニケーションスキル
社内システムを円滑に運用するためには、トラブルが発生した際に状況を確認し、迅速かつ的確に問題を解決する能力が求められます。また、技術的な内容をわかりやすく説明するコミュニケーション能力も大切です。
プロジェクト管理などの経験もあるとなお良い
プロジェクトマネージャーとしての経験は、システム設計や要件定義をしたり、情報システム部が他部門と連携し、組織全体の効率化や問題解決を推進するために重要です。特に、各部門の業務プロセスを深く理解し、それに適したITソリューションを提案できる能力が求められます。
これらを総合的に備える人材が、情報システム部での成功に繋がることでしょう。
5:【まとめ】情シスが企業で果たす役割
企業における「情報システム部(情シス)」は、現代のビジネス環境において、企業活動を支える重要な役割を担っています。
情シス部門は「縁の下の力持ち」として、日常業務の円滑な遂行を支える基盤を整えています。システム障害への迅速な対応や、セキュリティインシデントの未然防止、業務効率化を支えるツール導入など、情シスの仕事内容は多岐にわたります。一方で、近年のデジタル化やDXの進展により、情シスには単なる運用部門にとどまらない役割が求められるようになっています。
企業の競争力を維持・向上させるためには、情報システム部の支援が不可欠です。これを機に、情シス部門の重要性を再認識し、社内の体制強化や理解促進を図ることが、企業全体の成長につながると言えるでしょう。
本記事を通じて、弊社の情シス部門が担っている業務や取り組みについて、その一端でもお伝えできていれば幸いです。

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- 実際に弊社の情シス担当者に聞きながら、情シスの業務や端末管理のよくある課題と解決策をご紹介しています。
