初回公開日:2019年7月2日
情シス担当者の頭を日々悩ませている自社内のPC管理について、すぐにでも活用できるお役立ち情報をご紹介します。
今回は、PC管理の目的と、正確に行っていなかったときのリスクについて取り上げます。その上で、多忙を極める情シス管理者が効率的に業務を行うための、クライアントPC管理ツールやシステムについてご紹介します。

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1:クライアントPCとは?
クライアントPCとは、ネットワークに接続して動作する利用者(クライアント)用のパソコンを指します。一般的に、ネットワーク上では「サーバー」と「クライアント」という役割分担があります。サーバーはデータやアプリケーションなどのサービスを提供する役割を担い、クライアントはそのサービスを利用する側として機能します。クライアントPCは、サーバーにアクセスしてデータを取り出し、利用者が直接操作して業務や作業を行うためのツールです。

例えば、オフィスで社員が利用する業務用PC、銀行の窓口で業務処理に使用されるPC、学校や教育機関で生徒や教職員が利用するPCなどがクライアントPCに該当します。
2:クライアントPC管理とは?重要性の概要
PC管理とは、企業が使用しているPCが「いつから」「どこに」「どんな状態で」「どれくらいあるか」を正確に把握し、情報を整理・管理することです。
セキュリティ管理やアップデート対策、ライセンス管理など企業の信用に関わる内容が多いため、正確な管理が欠かせません。PC管理を行うことで、脆弱な機器や不正利用の可能性を早期に把握し、必要な是正措置を取ることができます。こうした継続的な管理と対応により、サイバー攻撃や情報漏えいなどのセキュリティインシデントの発生を未然に防ぐことができるのです。
PC管理の必要性と目的について、さらに詳しくみていきましょう。
3:クライアントPC管理の必要性と3つの目的
クライアントPCの管理は、企業のIT運用における基盤となる業務のひとつです。近年はテレワークやモバイルワークの拡大により、社内外に分散したPCを適切に把握・運用する必要性が高まっています。PCの管理を徹底することで、資産の正確な把握やコストの最適化、セキュリティリスクの低減といった効果が得られます。
ここでは、クライアントPC管理を行ううえで特に重要となる3つの目的「IT資産の把握」「コスト削減と投資対象の提案」「セキュリティ対策とトラブルへの備え」について解説します。
IT資産の把握
PCなどのIT機器は、企業によっては「固定資産」として扱われる場合もあれば、購入金額や使用期間によって「消耗品」として処理されることもあります。いずれの場合も、法令や社内ルールに基づいた適切な管理と会計処理が求められます。
新たに購入したPCが台帳に未登録のままだったり、すでに廃棄した機器が固定資産台帳に残っていたりすると、会計上の誤りやコンプライアンス違反につながるおそれがあります。
問題を防ぐためにも、社内で使用しているPCや端末などのハードウェア資産を定期的に確認し、固定資産台帳の更新や棚卸しをきちんと行うことが大切です。
コスト削減と投資対象の提案
PC管理を行うことで、社内のIT資産にかけている費用が適切かどうかを判断できます。
無駄なPCを把握することで、IT資産のコスト削減につなげながら、より効率的に予算を活用できます。
一方で、PCのスペックが従業員の作業効率を下げている場合は、新たなIT投資を提案するきっかけにもなり、業務環境の改善につながります。
セキュリティ対策とトラブルへの備え
パソコンは企業の大切な情報資産が入ったハードウェアです。
耐用年数やアップデートの状況を把握し、適切なタイミングで更新を行うことで、IT資産のセキュリティを維持することができます。
さらに、社内だけでなく、社外に持ち出されたPCや海外拠点で使われているPCなど、あらゆる場所の資産をしっかり把握しておくことが大切です。

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4:クライアントPC管理業務
クライアントPCを適切に管理するためには、資産管理・インベントリ管理・ライセンス管理・利用機能の制限といった複数の項目を定期的に確認・運用することが重要です。
これらはPCの所在や利用状況を把握するだけでなく、セキュリティリスクを最小化し、安定した運用を維持するための基本的な管理項目です。
情シス担当者は、年に数回、または必要に応じて各項目を点検し、最新の情報を反映させることが重要です。
資産管理
固定資産台帳にPCを登録する際は、「どこで」「どのような状態で」「誰が使用しているか」を確認・照合したうえで、正確に記入する必要があります。
また、IT資産管理の一環としてPCを管理する際には、台帳と実際の機器を照らし合わせる「現物照会」と呼ばれる作業が欠かせません。
- 参考項目
管理番号/品名/固定資産番号/導入日/機器情報/設置場所/資産区分 等
インベントリ管理
CPUやハードディスク、OSなどの構成情報やデバイスの状態を把握し、スペックや動作状況を定期的に確認・記録して一覧化することが重要です。
- 参考項目
CPU/ハードディスク容量/メモリ容量/IPアドレス 等
ライセンス管理
ライセンス管理とは、PC内で使用しているソフトウェアを正しく把握・管理することです。
ハードウェアは現物で確認できますが、ソフトウェアは目に見えないため、複製やライセンスの貸し借り、不正利用などが起こりやすい側面があります。
そのため、ライセンス管理は正確な把握が難しい項目のひとつといわれています。
さらに、ソフトウェアには著作権があるため、適切にライセンスが確保されているかをPCごとに確認することが重要です。
- 参考項目
ソフトウェア名/エディション/使用者/バージョン/ベンダー名/ライセンス形態/ライセンス証書番号/数量/管理部門/購入元/購入日 等
利用できる機能を制限する
従業員が業務でPCを使用する際には、利用可能な機能を適切に制限することが重要です。不要な機能をそのままにしておくと、ウイルス感染や情報漏えいのリスクが高まります。たとえば、外部記録媒体(USBメモリなど)の使用や、業務に無関係なソフトウェアのインストール、特定サイトへのアクセスなどを制御することで、セキュリティ事故の発生を防ぐことができます。
また、外部デバイスの接続制限は、データの持ち出し防止にもつながります。利用範囲を明確に定め、ポリシーに沿った運用を徹底することで、安全かつ安定したクライアントPC管理が実現します。
5:クライアントPC管理を行う方法
クライアントPCの管理には、さまざまな手法があります。
代表的なものとしては、手作業による台帳管理、専用ツールを用いたシステム管理、そしてクラウドサービスを活用する方法が挙げられます。企業の規模や運用体制に応じて、最適な管理方法を選択することが重要です。ここでは、もっとも基本的な「台帳によるクライアントPC管理」について解説します。
台帳によるクライアントPC管理
クライアントPCを把握・整理するうえで、まず取り組みやすいのが台帳による管理です。紙やExcelを用いて、各端末の情報を一覧化し、資産や利用状況を可視化します。
台帳には、管理番号、機種名、設置場所、使用者、導入日、ライセンス情報などを記載します。
新規導入時や異動・廃棄の際には、その都度台帳を更新し、常に最新の状態を保つことが重要です。定期的に実機と台帳を照合し、情報の齟齬がないか確認する「現物照会」を行うと、記録の信頼性が高まります。
また、管理対象が増えると更新の手間や重複入力のリスクも生じます。Excelを活用する場合は、入力ルールや命名規則を明確にし、複数担当者が扱う際もデータの整合性を維持できるようにしましょう。さらに、バックアップを定期的に取得し、誤操作やデータ破損に備えることも欠かせません。台帳管理はクライアントPC管理の基盤となる重要な仕組みです。企業規模に応じたルール整備と継続的な更新体制が求められます。
ツールを利用したクライアントPC管理
情シス担当者は、運用や管理など業務の範囲が広く、日々多忙を極めています。
たとえば、従業員が50人の企業であっても、社内で管理すべきPCやスマートフォンなどのモバイル端末、プリンター、ITデバイスの数はその数倍にもなります。
事業所ごとにすべてのPCの所在や使用用途を把握することは、情シス業務の中でも大きな負担となります。
1台ずつPCの保有状況を確認し、棚卸しやサポート状況、アップデートやライセンスを管理するのは容易ではありません。数台なら対応できても、数十台・数百台規模になると限界があります。
さらに、PC台数の増加やサイバーセキュリティリスクの高まり、ソフトウェアやアプリケーションの多様化などにより、情シス担当者の負担は年々増加しています。
加えて、PC管理だけでなく、情報共有やトラブル対応、システム保守など多岐にわたる業務を兼任しているケースも少なくありません。
そのため、表計算ソフトなどで手動管理を続けるのは現実的ではなく、クライアントPC管理ツールを導入して効率化を図る企業が増えています。
「クライアントPC管理ツール」とは、PCの所在、構成情報、利用状況、ライセンスなど、さまざまな管理項目を効率的かつ正確に一元管理できる支援システムです。
これにより、担当者の負担軽減だけでなく、セキュリティリスクの低減やIT資産の最適化にもつながります。
「ISM CloudOne」とは
ISM CloudOneは、社内の端末だけでなく、支店やテレワークで利用される遠隔地の端末まで一元的に管理できるIT資産管理サービスです。
IT資産やインベントリ、ライセンスを包括的に管理できるため、従来エクセル台帳を用いて手作業で行っていた煩雑な作業や工数を大幅に削減することが期待できます。
また、ISM CloudOneはクラウド型のIT資産管理ツールのため、サーバー構築や維持にかかるコストを抑えられる点も大きな魅力です。
効率的な管理を実現することで、新たな時間を生み出し、PCの管理にとどまらず、IT資産運用全体のコスト最適化につながる提案が可能になるかもしれません。
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6:不正確なクライアントPC管理のリスク
PC管理はできる限り正確に行うことが大切ということを前述させていただきましたが、反対に不正確な管理が引き起こすリスクについても考えてみましょう。
不正確な資産管理
まず、資産管理を怠った場合に生じるリスクについて見てみましょう。
IT資産管理では、社内にあるPCなどの現物を確認し、正確に台帳へ記録することが求められます。
この作業を怠ると、監査で指摘を受けたり、是正勧告を受けるなど、コンプライアンス違反に問われる可能性もあります。
また、資産を正確に把握できていないと、不要な機器を維持し続けることで余分なコストが発生するなど、コスト削減の機会を逃すことにもつながります。
不正確な管理の結果、すでに現物が存在しないPCが台帳に残っていたり、逆に台帳に記載されていないPCが存在したりする場合は、情報漏えいのリスクが大幅に高まります。
不正確なインベントリ管理
インベントリ管理が正確でない場合、PCを「誰が」「どのように」「どんな状態で」使用しているのかを把握することが困難になります。
これは、機密情報がどこで、どの程度リスクにさらされているのかを把握できていない状態といえます。
2025年10月14日、Windows 10のサポートは終了しました。
サポートが終了したOSには更新プログラムが提供されないため、セキュリティホールを修正できず、脆弱性が放置される危険があります。
そのため、企業が保有する各クライアントPCのOSアップデート状況を正確に把握していない場合、重大なセキュリティリスクを招くおそれがあります。
不正確なライセンス管理
ソフトウェアライセンスは、著作権法によって保護されています。
ライセンス管理が不正確なままだと、知らないうちに違法な状態でPCを使用してしまうリスクが生じます。
ライセンスの不正使用はコンプライアンス上の問題であり、企業の信頼を大きく損なう可能性があります。
実際に、過去にはマイクロソフト社のソフトウェア約4,000ライセンスを不正に使用していたことが発覚し、ライセンス料として約1億4,000万円を追加で支払った事例(2009年:北海道庁)もあります。
また、社員が自由にソフトウェアをインストールできる環境では、マルウェアを含むソフトが侵入し、PC全体へのウイルス感染や情報漏えいなどのセキュリティインシデントを引き起こす恐れもあります。
このようにPCのライセンス管理を適切に行うことは、企業の信頼を守り、健全な運用体制を築くうえで欠かせない取り組みと言えるでしょう。

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