情報資産とは何か?管理方法や具体例を詳しく解説

情報資産とは何か?管理方法や具体例を詳しく解説

1:情報資産とは何か?定義と重要性

企業における「情報資産」とは、組織が保有し、事業活動に価値をもたらす情報および、その情報を保持・利用等行うための媒体やシステムすべてを指します。一般的な資産というと「お金」や「不動産」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、現代のビジネスではデータやナレッジ(知識)といった「情報」そのものが大きな価値を持っています。つまり、どんな情報を持ち、その情報をどう守り、どう活用するかが企業の強みを左右すると言っても過言ではありません。
たとえば、顧客情報や取引先のデータ、経営に関わる数字や計画、研究開発で生まれた成果などはもちろん、システムの設定情報などはすべて情報資産に該当します。最近では、メールの履歴や社員同士のチャットログ、PC操作ログといった日々のやり取りまで情報資産に含まれると考えられています。これらはトラブルが発生した際の証拠になったり、業務改善のヒントになったりと、見過ごせない大きな価値があるからです。

狭義と広義の「情報資産」

情報資産という言葉には、少し幅がありますので下の表にまとめます。

情報資産とは 範囲 具体例
狭い意味では 情報そのもの 顧客データ、設計図、契約情報、業務記録など
広い意味では 情報を保持・利用するための仕組みや媒体も含める データベース、サーバー、アプリケーション、クラウド環境など

業務ではどちらの意味でも使われますが、情報セキュリティやIT管理の分野では「情報+それを支える仕組み」まで含めて扱うのが一般的です。

情報資産の重要性

もし情報資産が外部に漏洩したり、改ざん・消失してしまうと、企業は大きな損害を被ります。たとえば、個人情報の流出によって法的リスクが発生したり、社会的な信用を失う恐れがあります。さらに、研究成果が盗まれて競合に先を越されれば、競争力の低下にもつながります。このように、影響は計り知れません。だからこそ、情報資産をきちんと把握し、適切に管理することは企業の生命線とも言えるのです。

2:情報資産に含まれるもの

情報資産に含まれるもの
では実際に、どのようなものが「情報資産」にあたるのでしょうか。一口に情報資産といっても、その形はさまざまです。デジタルデータはもちろん、紙の書類や契約書、アイデアやノウハウといった知的財産も含まれます。さらに、日々の業務を支えるシステムも欠かせない情報資産のひとつです。つまり、情報資産は企業活動のあらゆる場面に存在しているのです。ここでは代表的な例をいくつか見ていきましょう。

情報の種類 具体例
顧客・取引先に関する情報 顧客名簿、住所・連絡先、購買履歴、契約情報
経営や財務に関する情報 会計データ、売上報告、経営計画、取締役会議事録
知的財産・技術情報 設計図、仕様書、開発ソースコード、研究資料、業務マニュアルなどのノウハウ
人事情報 社員の人事評価、給与情報、勤務記録、健康情報
業務記録やログ メール履歴、会議の議事録、社員同士のチャットログ、PC操作ログ
システム関連の情報 データベース、サーバ設定、ネットワーク構成、アプリ利用履歴、業務アプリケーションに保存されたデータ

こちらの表にあるように、情報資産に含まれるものは「会社の頭脳」とも言えるデータや知識のすべてです。自分たちの会社にどんな情報資産が存在するかを把握し、一覧にしておくことは、セキュリティ対策やリスクマネジメントの第一歩になります。

情報資産に含まれないもの

情報資産に含まれないものとして、一般に公開・販売されている情報や、誰でも無償で入手できる情報が挙げられます。

例)一般に公開・販売されている情報
・書籍、雑誌、新聞
・誰でも購入できるソフトウェア、画像

誰でも無償で入手できる情報
・フリーソフト、フリー画像
・インターネット上の無料で閲覧できる情報

他にも、個人情報そのものは条件によって「情報資産」に含まれる場合と含まれない場合があります。

情報資産に含まれないものには、
・個人の趣味やプライベートに関する情報
・業務と無関係な個人のメモや写真

個人に関する情報でも、企業にとって管理・活用価値がなければ、情報資産として扱う必要はありません。

3:情報資産管理が必要な理由

企業が日々扱う情報を適切に管理しなければ、セキュリティリスクの増大、法令違反の可能性、業務効率の低下といった問題が生じます。本章では、情報資産管理が企業にとって不可欠である理由を、リスク回避・法令遵守・業務効率化の観点から詳しく解説します。

リスク回避とセキュリティ強化

情報資産を適切に管理していない場合、情報漏洩や不正アクセスといったリスクが増大します。特に個人情報や顧客データ、社内システムのログなどは、外部に流出すると重大な損害や信用失墜につながります。情報資産を体系的に把握し、アクセス権限を適切に設定することで、こうしたセキュリティリスクを低減できます。

法令遵守とコンプライアンス対応

企業が保有する情報資産の中には、個人情報保護法や金融庁ガイドライン、業界ごとの規制などで厳格な管理が求められるものがあります。情報資産を適切に管理することで、これらの法令や規制への準拠が可能となり、コンプライアンス違反のリスクを未然に防ぐことができます。監査や内部統制の場面でも、管理体制がしっかりしていると、企業の信頼を高める効果があります。

業務効率化と競争力の向上

情報資産を整理せずに放置していると、必要なデータを探すのに時間がかかり、業務効率が低下してしまいます。反対に、情報資産を適切に管理すれば、従業員が必要な情報へ迅速にアクセスできる環境を整えることが可能です。その結果、意思決定のスピードが上がり、企業の競争力の向上にもつながります。

4:情報資産を管理するための具体的な方法

企業の情報資産を守り、効率よく活用するためには、まず情報資産をきちんと分類することが欠かせません。そのうえで、社内ルールの策定やツールの導入など、複数の取り組みを組み合わせることが重要です。本章では、企業で実際に取り組める具体的な情報資産管理の方法を解説していきます。

情報資産の分類

情報資産は企業にとって重要な価値を持つものですが、種類も量も膨大です。そのすべてを同じように扱ってしまうと、セキュリティ対策や保管コストが過剰になったり、逆にリスクを見落としてしまう恐れがあります

なぜ情報資産の分類が必要なのか

情報資産を分類することで、次のメリットが得られます。

  • セキュリティレベルの最適化(機密度に応じて強弱をつける)
  • 業務効率化(必要な情報をすぐに探せる)
  • 法令遵守の徹底(保存期間や廃棄ルールを守れる)

つまり、情報資産の分類は「セキュリティ」「業務効率」「コンプライアンス」を同時に実現するために欠かせない重要なステップなのです。

情報資産の分類基準

情報資産を効果的に管理するには、まず分類の目的を明確にしましょう。例えば「セキュリティレベルを決めたい」「業務効率を高めたい」「法令遵守を徹底したい」など、目的によって分類の切り口が変わります。
次に、情報の機密性を評価し、機密情報と一般情報に分ける基準を設けましょう。顧客情報や経営データなどは厳格に保護すべき「機密情報」として扱い、社内公開可能な資料は「一般情報」として区別します。
また、業務プロセスごとに分類する方法も有効です。営業、開発、人事といった部署や業務単位で整理すれば、日常業務の流れに沿った情報管理ができ、必要な情報に迅速にアクセスできます。

情報資産の保存期間と廃棄ルールの設定

情報資産の分類ができたら、次に重要なのが保存期間と廃棄ルールの設定です。情報資産の保存期間を設定する際は、まず関連する法令や業界の規制やガイドラインを確認し、必要な保存期間を守ることが前提となります。業務上の必要性を考え、適切な保存期間を設定しましょう。ルールを明確にしないまま情報を蓄積してしまうと、いつまでも不要な情報を残しておくことになり、管理コストや情報漏洩のリスクが増大します。そこで、情報資産の廃棄のタイミングと方法を明確にルール化することが不可欠です。
データ消去や物理的な機器の破棄などを適切に実施すれば、不正利用や漏洩リスクを大幅に減らせます。こうした保存・廃棄ルールを徹底することで、情報資産を安全かつ効率的に管理できる仕組みが整います。

情報資産管理ルールの策定

情報資産管理の第一歩は、明確なルールを定めることです。どの情報を「情報資産」として扱うのか、誰がどの範囲まで利用できるのかを規定することで、組織全体で一貫した管理が可能になります。特にアクセス権限の設定は重要です。機密性の高い情報は、関係する担当者にのみアクセスを許可するようにしましょう。

情報資産管理ツールの導入

情報資産を手作業で管理するのは限界があります。そのため、専用の管理ツールを導入するのが効果的です。特にIT資産(PCやサーバー、ソフトウェア、クラウド上のデータなど)は情報資産の大きな割合を占めるため、ツールによる一元管理が欠かせません。たとえば、ISM CloudOneのようなクラウド型のIT資産管理ツールを使用すれば、社内外のデバイスやクラウドサービスの利用状況まで管理でき、セキュリティ強化と業務効率化を同時に実現できます。

5:情報資産を守るためのセキュリティ対策

情報資産を守るためのセキュリティ対策
企業が保有する情報資産は、外部からの攻撃や内部の誤操作など、さまざまなリスクにさらされています。そのため、情報資産を守るためには技術的な対策だけでなく、管理ルールの徹底や従業員教育も含めた総合的なセキュリティ対策が不可欠です。

アクセス制御と認証の強化

情報資産を保護するためには、「誰がどの情報にアクセスできるか」を明確にし、適切に制限を掛けることが重要です。具体的には、ID・パスワードに加えて多要素認証(MFA)を導入し、不正ログインのリスクを低減させます。また、アクセス権限は業務に必要な範囲に限定する「最小権限の原則」を徹底することで、内部からの情報漏洩も防止できます。

データの暗号化とバックアップ

保存データや通信データを暗号化することで、万が一情報が外部に流出しても内容を解読されるリスクを大幅に減らせます。加えて、定期的なバックアップを行い、安全な環境に保存することも欠かせません。特にランサムウェア攻撃などに備えて、オフライン環境やクラウド上にバックアップを確保しておくと安心です。

ログ管理と監査

不正アクセスや情報漏洩の兆候を早期に発見するには、操作ログやアクセスログの管理が欠かせません。例えば、PCの操作に関しては、ISM CloudOneのようなログ管理機能を備えたツールを活用すれば、従業員のPC操作やシステム利用状況を記録し、異常な挙動を早期に検知できます。また、定期的に監査を実施することで、情報資産管理が適切に行われているかを確認し、改善につなげることができます。

詳しくはこちら
クラウドでPCの操作ログ収集・管理をしたいならISM CloudOne

セキュリティ教育とルール徹底

技術的な対策だけでは、人的ミスによる情報漏洩リスクを完全に防ぐことはできません。そのため、従業員一人ひとりに対して、情報資産を扱う上でのセキュリティルールを徹底的に教育することが重要です。具体例としては、USBメモリの持ち出し禁止、社外のWi-Fi利用時の注意点、チャットログも情報資産に含まれることの周知などがあります。さらに、定期的なトレーニングや社内講習を実施することで、組織全体のセキュリティ水準を着実に高めることができます。

6:情報資産管理のポイント

情報資産を安全かつ効率的に管理するためには、ルールやツールの整備だけでなく、運用を継続的に見直す必要があります。

継続的な見直しと改善

情報資産は日々増え続け、環境の変化に応じて内容も変化します。そのため、一度管理ルールを決めて終わりにするのではなく、定期的に情報資産の棚卸しやルールの見直しを行い、最新の状況に合わせて改善・更新することが大切です。特にクラウドサービスやSaaSを多く利用している企業では、契約状況や利用実態を定期的に確認することで、無駄なコスト削減にもつながります。

情報資産の可視化

情報資産が「どこに」「どれだけ」あるのかを把握できなければ、適切な管理はできません。そこで有効なのが、IT資産管理ツールやログ管理システムを活用した可視化です。IT資産管理ツールを導入することで、ソフトウェアやハードウェアの利用状況を自動で把握でき、一元的な管理が可能になります。これにより、セキュリティリスクの早期発見や内部統制の強化にもつながります。

詳しくはこちら
【ISM CloudOne】クラウド型IT資産管理で端末を一元管理&問題を可視化

社内ルールの策定と徹底

情報資産を守るには、明確な社内ルールの策定が欠かせません。「誰が、どの情報を、どのように扱うか」を定義し、従業員全員に周知することが重要です。特にリモートワークやBYOD環境では、私物デバイスの利用や社外からのアクセスに関するルールを厳格に定めることで、情報漏洩リスクを低減できます。

経営視点での活用

情報資産管理は単なるセキュリティ対策にとどまりません。正しく管理することで、業務効率化やコスト削減、さらには経営戦略の意思決定に役立つデータ活用にもつながります。経営層が情報資産の価値を理解し、全社的な取り組みとして推進することが、管理の定着と成果につながるポイントです。

7:情報資産管理を怠った場合のリスクと脅威

企業が保有する情報資産は、適切に管理されていない場合、さまざまなリスクや脅威にさらされます。ここでは、情報資産に関わる代表的なリスクと脅威について解説します。

外部からの脅威

情報資産はサイバー攻撃の対象となることがあります。マルウェアやランサムウェア、フィッシング詐欺などにより、データの破損や流出といった被害が発生するリスクがあります。特にクラウドサービスやSaaSの普及により、外部からの攻撃対象が広がっています。

内部不正による情報漏えい

USBメモリへの持ち出しや不正アクセス、権限を超えた情報の利用など、内部からの脅威は発生しやすい一方で、発見が難しいのが特徴です。特に機密情報や個人情報は、内部からのリスクにも十分注意が必要です。

情報資産の紛失や盗難

PCやスマートフォンなどのデバイスに保存された情報資産が社外に持ち出されて、紛失・盗難に遭うこともリスクのひとつです。特にモバイル端末の業務利用が広がる中、端末の置き忘れ等にも注意が必要です。

法令違反によるリスク

個人情報保護法や業界規制に違反すると、罰則や行政指導の対象になるだけでなく、企業の信用失墜につながります。法令違反のリスクは、情報資産管理が不十分な場合に高まります。

災害や事故によるリスク

地震や火災といった自然災害、あるいはサーバートラブルや停電によるシステム障害、設備の故障によるデータ消失もリスクの1つです。物理的・環境的な要因によるリスクも見落とせません。

8:情報資産管理による業務効率化とコスト削減のメリット

情報資産管理は、セキュリティ対策やコンプライアンス対応のためだけではありません。実は、適切に取り扱うことで、業務の効率化や、コスト削減にも繋がります。ここでは、その具体的なメリットを見ていきましょう。

情報資産の「見える化」による業務効率の向上

企業が持つ情報資産を正しく把握し、利用状況を「見える化」することは大きな効果を生みます。たとえば、利用していないシステムや重複したライセンスを整理すれば、管理の手間を減らすことが可能です。利用中のサービスを整理することで、現場の担当者が必要な情報に素早くアクセスできるようになり、業務効率が向上します。

IT資産コストの最適化

ソフトウェアやクラウドサービスのライセンスは、適切に管理しなければ無駄なコストが発生します。情報資産管理を徹底することで、未使用のライセンスを特定して契約内容を見直すことができます。これにより、不要な支出を抑え、必要な資産に予算を集中させることで、限られたリソースを有効活用できます。

運用管理の自動化による効率向上

IT資産管理ツールを活用することで、ソフトウェアのインストール状況やPC操作ログの収集といった作業を自動化できます。これにより、担当者の負担を軽減し、戦略的な業務に時間を割けるようになります。結果として、企業全体の生産性が高まり、管理コストの削減にもつながります。

長期的なコスト削減効果

適切な情報資産管理を継続することで、将来的なセキュリティインシデントや法令違反による罰則リスクを未然に防止できます。万が一の事故対応にかかるコストや信用失墜による損失を考えると、情報資産管理への投資は「守り」と「攻め」の両面から企業に利益をもたらすといえるでしょう。

9:まとめ

本記事では、情報資産管理の基本から具体的な方法、そして効率化やコスト削減への効果までを解説してきました。情報資産は、企業が日々の業務を遂行し、競争力を維持するための重要な基盤です。その中には、文書データや顧客情報、業務システム、クラウドサービスの利用状況など、幅広い資産が含まれます。これらを正しく把握し、分類・管理することは、セキュリティ対策やコンプライアンス遵守に直結します。また、情報資産管理を徹底することで、業務の効率化やITコストの削減にもつながります。特に、不要なソフトウェアのライセンスや重複したクラウドサービスを見直すことで、無駄な支出を抑えられるのは大きなメリットです。さらに、セキュリティリスクや法的リスクを未然に防ぐことができ、長期的な安定経営を支える仕組みとなります。
今後、企業が持続的に成長するためには、情報資産を「守る」だけでなく「活用する」視点も欠かせません。効率的な管理と適切なセキュリティ対策を組み合わせることで、情報資産は単なる管理対象ではなく、企業価値を高めるための戦略的なリソースとなります。
情報資産管理は、すべての企業にとって避けて通れない重要課題です。本記事を参考に、自社の取り組みを見直し、持続的な成長の基盤づくりに役立ててください。

  • IT資産の管理はセキュリティ対策の第一歩!
  • IT資産の管理はセキュリティ対策の第一歩!
    IT資産管理ツールを運用し、効果的なセキュリティ対策につなげるポイントをお伝えします!