はじめに
先日、Windows 10の新しいバージョンの20H2の提供が開始されました。
同時に迫ってきているのが古いバージョン(1809,1903)のサポート期限切れです。
サポートが切れたOSは、ソフトウェアとの互換性に問題が生じる点や、脆弱性が放置される点などのデメリットがあるため、古いバージョンを利用していたユーザーはサポート期限が切れる前に新しいバージョンに更新しようとしているのではないでしょうか。
このショートコラムでは、Windows Updateを行うにあたり、情報システム部門が注意するべき点についてご説明いたします。
【1】Windows Updateとは
まずWindows Updateとはなにかですが、言葉の通りWindowsをUpdateし、Windowsの機能やセキュリティの状態を最新にするためのものです。
Windows Updateには大きく分けて、Feature Update(FU)と呼ばれる機能更新プログラムとQuality Update(QU)と呼ばれる品質更新プログラムがあります。
FUは約半年に一回の頻度でマイクロソフトから提供され、QUは月に一回以上の頻度で提供されます。
今回提供が開始された20H2というのはFUに当たるもので、バージョン20H2にアップデートすることで新しい機能が追加されます。
【2】FUの気を付けるべき点
ただし、新しい機能が追加されると言えば聞こえはいいですが、仕様変更やセキュリティ機能の強化によって利用していた既存のシステムが影響を受け、うまく動作しなくなってしまったといった話も聞かれます。
また、FUには新しい機能を追加するという性質上、アップデートに非常に時間がかかってしまうという面もあります。
業務で必須となる端末に深く考えずFUを適用させてしまい、その日の業務が出来なくなったということも実際によく起きています。
【3】情報システム部門が気を付けるべきこと
ではFUを適用させる際に情報システム部門が気をつけなければならないことはなんでしょうか。
答えは「業務を止めてしまわないようにすること」です。
既存システムとの整合性、時間的な制約から業務を止めてしまわないよう、FUの適用には十分以上に慎重にならなければなりません。
【4】Windows Updateの現実的な解決策
ではWindows 10 バージョン1809や1903を利用しているユーザーはサポート期限切れまでにどうすればいいのでしょうか。時間に余裕がない中、公開されて日が浅い20H2を検証して不具合が発生しないかを確認するというのは現実的ではありません。
逆にWindows 10バージョン1909では公開されて日が経っていますが、今から検証し適用させるころにはもうサポート期限が迫ってきています。
したがって、公開されて日が経っていることからOSに対応しているソフトウェアが多く、サポート期限にも余裕があるWindows 10バージョン2004にアップデートしてみてはいかがでしょうか。
Windows 10バージョン | サポート期限(Home/Pro) |
1809 | 2020年11月10日 |
1903 | 2020年12月8日 |
1909 | 2021年5月11日 |
2004 | 2021年12月14日 |
20H2 | 2022年5月10日 |
※2020年11月時点
引用:https://docs.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/products/windows-10-home-and-pro
ただし、Windows バージョン2004であっても特定のBluetoothドライバーを搭載したデバイスは複数のBluetoothと接続できない 問題 や、特定のオーディオドライバーがインストールされているデバイスでブルースクリーンが発生する 問題 など、環境によっては不具合が発生することもあるので確認は必要です。
このように確認の必要性はありますが、2004は公開されてから現在に至るまでに不具合の回避策が見つかっているものも多くありますので、最新版である20H2と比べれば検証が楽であることは確実です。
【5】解決策の問題点
ただ、この解決策には情報システム部門がカバーできない部分に問題があります。
それは情報システム部門がWindows Updateの適用をコントロールできない点です。
いかに情報システム部門がWindows Updateのある種の危険性を理解したところで、知らぬうちにバージョン20H2にアップデートをされてしまえばどうすることもできません。
「よくわからないけど操作したらPCが動かなくなった、どうにかして。」と言われたところで、もはや後の祭りです。
さらには自動でWindows Updateが適用されることもあり、いつのまにかバージョンが変わっていたということも起きてしまいます。
こういった事態を避けるためには、Windows Updateを情報システム部門が一元管理できるWSUSなどのシステムを利用することが望ましいです。
そうすることで、業務に支障をきたすことなく運用を続けることが可能となります。
【6】解決策の問題点の解決策
弊社のISM CloudOneにも、Windwos Updateの一元管理を可能とする機能があります。
ISM CloudOneのWindwos Updateのための機能
- 端末のWindows Updateの適用の時期を決める機能
- Windows 10バージョンの機能更新を、任意のグループに任意のバージョンで配布展開出来る機能(オプション)
- Windows 10バージョンの機能更新を代表端末から分散して配布できる機能(オプション)
他にも「いかに業務をとめないか」に注力した様々な機能で情報システム部門の業務をサポートします。
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【7】まとめ
- Windows Updateはいかに「業務をとめないか」が重要
- 適用するWindows 10バージョンは2004がオススメ
- Windows Updateを一元管理出来る仕組みを検討する
従業員全員がWindows Updateの問題点を正しく理解することが最も重要ではありますが、情報システム部門以外のITリテラシーがあまり高くなく、「いままではたまたま業務が止まらなかっただけ」という企業は、弊社製品のISM CloudOneを活用してみるのはいかがでしょうか。
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