テレワーク時の残業時間は?管理に欠かせない2つの観点

時間管理

はじめに

働き方が多様化し、出社してオフィスで働くだけではなく様々な場所で働くことが普通となりつつある今、従業員の労働時間を管理することが難しくなってきています。今までのように、オフィスに来るとタイムカードを押し出勤、帰るときにタイムカードを押し退勤というわけにはいかなくなっている企業も多いのではないでしょうか。

そこで問題になってくるのが目の届かない場所での出勤と退勤の把握。従業員からの出勤、退勤報告を疑うわけではありませんが、成果を急ぐあまりに見えない場所で働いてしまっているかもしれません。このような勤務時間外での労働を、気が付かないふりをして許してしまってはいませんか?

この記事では、テレワークやハイブリッドワークの勤怠管理で重要となる残業時間の管理方法について解説しています。

【1】法律による規制

働き方改革関連法が施行され、2019年4月に大企業に、2020年4月に中小企業に適用された時間外労働の上限規制により、週40時間を超える労働は残業とみなされ、特別な事情を除き月45時間、年360時間を超えた場合は法律に違反したとされ罰則が課されます。

会社に来た従業員の出退勤をタイムカードで管理していた今までは、残業時間を正確に把握できていました。

しかし、目の届かない場所での出退勤となると、本当に出勤報告をしてからしか仕事をしていないのか、退勤報告をした後も隠れて仕事をしていないのかということを正確に把握出来ていると言い切れません。

そのため、報告上は残業時間が法定時間内であったにもかかわらず、実態は法定時間を超えていたことが後から発覚し、問題になることも今後考えられます。

実際に2019年5月には、職場以外で業務を行っていた従業員が自殺した問題で、実際は過労死ライン(※)の2倍近い時間働いていたとして労災と認定されるなど、働き方が変わることによる問題が発生しています。

こういった事態を防ぎ従業員を守るためにも、たとえ把握が難しい労働時間の実態であっても、なんとかして把握しておく必要があります。

(※) 法律上では「発症前1ヵ月間に100時間」あるいは「発症前2~6ヵ月間平均で80時間」を超える時間外労働

【2】労働時間を正確に把握するには?

では、従業員の労働時間を正確に把握するためにはどうすればよいのか。

その答えの一つとしてPC稼働ログが挙げられます。

PC稼働ログとは、言葉の通りPCが稼働しているかいないかをログとして確認できるものです。

例えば報告上は9時から出勤していたとしても、PC稼働ログでは7時にPCの電源が入っていた場合、7時から9時までの2時間は何らかの理由でPCを利用されていたということがわかります。

PCが稼働していたからと言って必ずしも業務を行っていたとは限りませんが、仮に勤怠上は業務を行っていないことになっていたとしても、このように実際のログとして見てみると未報告で業務が行われていた可能性が見えてきます。

そのため、PCを操作した際に記録される操作ログと照らし合わせ、業務を行った形跡があれば法律に違反しないためにも対策をとることが重要です。

操作ログについて詳しくご紹介!

【3】把握の難しい労働時間の実態

PC稼働ログと操作ログで労働時間の実態を把握すると述べましたが、実はそう簡単なものではありません。

一般的に操作ログでとれるログには限界があり、例えばExcelやPowerPointなどを開いているということはログで確認できても、中でどんな作業を行っていたのかは把握できません。

仮にどんな作業をしていたかが把握できるようなログが取れるとした場合も、ログの量が多くなりすぎ、かえって労働時間の把握ができなくなってしまいます。

実際に業務に利用されていたのか、利用せずに開いていただけなのか、分からなければ未報告で業務を行っていたという証拠にはなりません。

では労働時間の実態を把握するにはどうすればいいのでしょうか。

ISM CloudOneによる業務時間管理の方法を動画でご紹介!

【4】労働時間を管理するには?

実態の把握が難しい労働時間を管理するには、システムに頼り切らない運用が重要になります。

例えば、業務が終了し退勤した後はPCの電源を落とすことを徹底させるだけで、業務時間の把握と未報告の業務を抑制することができます。

このように、システムと運用の両方から管理がを行うことで労働時間の実態を把握し、従業員の働き過ぎを抑止することが可能となります。

厚生労働省が出す「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」の中にも長時間労働対策(P18)について記載されているので、こちらも確認してみてはいかがでしょうか。

【5】最後に

弊社の製品 ISM CloudOneにも、労働時間のヒートマップでの可視化や残業時間の可視化PCの強制シャットダウンなどの労務管理をサポートする機能がありますので、こちらもあわせてご確認いただければ幸いです。

30日間の無料トライアルも可能ですので、実際に操作して管理方法をご確認ください!

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