テレワークで得られるメリットを最大限にする。知っておくべき「5つのリスクと対策」

在宅勤務で得られるメリットを最大限にする。知っておくべき「5つのリスクと対策」

このページを閲覧頂いている方は、昨年から施行されている働き方改革関連法の対応から始まり、地震・台風などの天災時の通勤停止、国際的なスポーツイベントによる時差出勤や在宅勤務の推奨などに備えてテレワークの導入を検討されているところではないでしょうか。

また、今世間を騒がせている新型コロナウイルスの影響により、計画していた予定よりも早く“在宅勤務”を導入されたという企業様もいらっしゃるかと思います。

“在宅勤務”はメリットが多くある反面、少しの油断が企業の存続を難しくするほどの損害につながるリスクが存在します。
リスクを認識して対策をし、テレワーク導入の効果を最大限に発揮しましょう。

今回は、以下のような方に知っていただきたい情報を掲載しています。
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・テレワークの導入に関わっている / 決定する立場にある
・テレワークを実施・推進するためのシステムを選定している
・会社のリスク管理をする立場にある
・在宅勤務のためのルール / 環境は整ったが検討漏れがないか心配な方
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「働き方改革とは」をテーマにした別コラムもありますので、ぜひご一読ください。
https://ismcloudone.com/column/?p=108

【1】テレワークとは?

テレワークとは、PCやスマートフォン、インターネットやSaaSといった情報通信技術(ICT)を利用して、場所や時間に縛られず、むしろ有効的に活用する柔軟な働き方のことです。

テレワークには、3つの勤務形態があります。

①在宅勤務

自宅で仕事をする勤務形態です。
通勤時間がなくなり公共交通機関を利用することで発生するストレスを軽減できます。
就業者の育児や介護といった家庭の問題にも対応しつつ柔軟に働くことができます。

②モバイルワーク

外出先のカフェや顧客先、移動中などで仕事を行う方法です。
オフィスでなくても仕事ができるため、外出中でも常に顧客対応が必要な営業や技術職の方に有効です。
移動等の隙間時間に作業ができるため、生産性向上が見込めます。

③サテライトオフィス

自社の拠点以外の施設を利用する働き方です。
従業員の自宅近辺にある施設や、顧客先を利用することで移動時間や交通費を抑えることや、遠方地にいる人材を確保できるといった効果があります。

この中で「テレワーク」で一番思いつくのは、”在宅勤務”ではないでしょうか。
2019年に国が主体で行った「テレワーク・デイズ2019」の実施結果報告では、”在宅勤務”を活用した企業・団体は調査対象の77.3%を占める結果となりました。

【2】テレワーク導入で得られる効果

貴社では、テレワークをどういった目的で導入していますか。
導入をご検討中の企業様は、導入する目的や導入後に期待するビジョンを明確にしておきましょう。

目的の参考として考えられる「テレワークを実施することで得られるメリット」は、企業側、従業員側としてぞれぞれ例を挙げると以下の通りです。

【企業側のメリット】
・生産性の向上 / 業務改善
・非常時における事業継続性を強化(BCP対策)
・コストの削減
・人材の新規雇用、労働力創造
・社員の継続雇用 / 離職防止

【従業員側のメリット】
・「ワーク・ライフ・バランス」を実現(育児、介護、自己啓発など)
・集中して業務に取り組み作業効率の向上
・自身の計画性や管理能力の向上

「テレワーク・デイズ2019」の実施結果からは、計測されたメリットで以下の数字が報告されています。

【テレワーク・デイズ2019報告書】
残業        :44.6%減少    生産性向上・コストダウン
旅費・交通費の変化 :9.6%減少      コストダウン
事務用紙      :38%減少       コストダウン

「テレワーク・デイズ2019」実施結果

引用元:総務省「テレワーク・デイズ2019実施結果報告」

この結果から、生産性向上で企業の利益につながり、さらにコスト削減につながっていることがわかります。
効率化することで、創出できた費用をさらに会社への投資に使えるということです!
素晴らしいですね。これが本当ならやらない理由がないぐらいです。

出典:総務省「テレワーク・デイズ2019実施結果報告」

ちなみに、私どもクオリティソフトもテレワーク・デイズに参加をしており従業員からのアンケートを通して生産性向上への効果を検証しております。経験することで、発生する課題はあるものの結論としては前向きな意見が多数ありました。

【クオリティソフト(株):テレワーク・デイズ2019 結果報告】
<条件>
実施人数:73名
実施日数:5日間

<効果>
通勤時間の削減/効率化          :1日平均 1.9時間/人 削減
仕事の効率、生産性の向上を感じられた :70%の対象者が向上と回答
(「普段と変わらない」の回答を含めると96%)
コミュニケーションについて      :89%の対象者が問題ないと回答
→チャット、電話、TV会議といったツール活用で問題なく円滑に図れた

<課題>
テレワークではできない業務がある(書類を扱う、面談、印刷が必要など)
社内での内線アプリが欲しい
ネットワークの安定性  など

【3】取り組む前に考慮すべき「業務に影響する5つの事象と対策」

多くのメリットがあるテレワークですが、手放しで良いことばかりではありません。
端末の管理やセキュリティ対策について、社内環境においては万全に対策ができていても、目の届かないところや社外のインターネット環境での利用は対策の範囲外となり無防備な状態となります。

以下の環境で、対策が取れていない場合に起こりうる知っておくべき5つの事象とその対策について考えておきましょう。

【テレワークの環境】
・会社から貸与する端末を使う
・VPNやクラウドサービスを使って会社の機密情報にアクセスができる
・社内ネットワークにあるファイルやデータを利用端末に保存できる
・人目がないところで業務を行う

①業務に関係のない私的利用で業務効率の低下

経営者や部門長といったマネージメント職の方は、「人の目がない状態で本当に仕事をしているのか?」が気になるポイントではないでしょうか。
確かに生産性向上を目的としている場合、業務効率が落ちれば本末転倒ですよね。

【対策】
・在宅勤務実施の、成果物を明確にする
・チャットやTV会議といったツールでコミュニケーション(進捗確認等)をとる
・端末の操作履歴を取得する仕組みを導入し、導入していることを利用者に伝える
・取得した操作履歴から勤務実態を確認する
・業務に関係のないサイトへのアクセスは、禁止もしくは制限する

②遠隔地で、端末や利用するソフトウェアの不具合が発生し業務が停滞

社内ですとシステム担当者が現地に向いすぐに対応ができますが、在宅や遠隔地だと担当者が現地に行くこともできません。また電話で対応する場合でも意思疎通がうまく取れず、余分に時間がかかるなんてことも少なくありません。
そうなるとその間、業務が停止してしまい生産性が低下もしくはゼロになってしまいます。

【対策】
・問い合わせの原因が検討できるように、定期的に端末やインストールしているソフトの情報を管理しておく
・遠隔地でも、対象の端末をリモート操作できる仕組みを導入する

③端末の紛失

モバイルワークをした時、飲みに行った時、買い物に行った時に置き忘れた。カフェなど外出先で仕事しているときに、少し目を離したすきに盗まれた。といったことが考えられます。
端末を盗まれると、物理的な損失もありますが情報漏洩はさらに大きな損害を発生させます。それには、盗まれてもデータを閲覧できないように対策することが重要です。

【対策】
・ログインにパスワードをつけ、数字、記号を含むなど推測され難いものにする
・ログイン時の認証に生体認証を用いる (指紋、静脈、顔など)
・ハードディスクの暗号化を行う

④マルウェアの感染

マルウェアに感染するリスクが、企業の事業活動に一番大きな損害を与えるといっても過言ではありません。
対策するには、感染する経路の把握が不可欠です。

【リスク】
・OS / データが壊れて業務が停止
・情報資産(※1)が漏洩 /消失する
※1:経営戦略、事業ノウハウ、顧客名簿、売上情報、営業秘密など
・不正送金などの金銭被害
・踏み台となり、ステークホルダーにウイルスをばらまく加害者になる

【感染経路】
・悪意あるソフトウェアウェアの利用で感染 (フリーソフトなど)
・ファイル共有ソフト(Winny、BitTorrentなど)通じて感染
・悪意のあるメールの添付ファイルや、URLのリンク先から感染
・マルウェアが仕込まれているWEBにアクセスして感染
・マルウェアに感染している外部記憶媒体(※2)を使用して感染
※2:USBメモリー、外付けHDD、SDカード、CD/DVD、フロッピーディスク

【対策】
・社員教育を行いセキュリティ意識を向上させる
・脆弱性を管理する
1)Windowsのアップデートを徹底する。出来ていることを確認する
2)ウイルス対策ソフトを導入し、アップデートが出来ていることを確認する
・業務に関係のないソフトのインストール / 利用を禁止する
・URLフィルタリングで悪意あるサイトを遮断する
・会社で承認している外部記憶媒体のみ利用とする

⑤情報の漏洩

情報漏洩をするパターンを知り対策することが重要です。

【情報漏洩の発生パターン】
・外出先で端末画面をのぞき見される
・公共のフリーWi-Fiを利用して通信を盗聴される
・悪意をもって機密情報を外部記憶媒体に持ち出す
・私物の外部記憶媒体をバックアップ先として利用し、それを紛失する

【対策】
・端末にのぞき見防止のフィルターを設置
・会社で承認しているUSBメモリー以外を利用させない
・操作履歴を取得し、外部に持ち出したデータが分かるようにする

情報漏洩の原因は、不正行為はもちろんのこと、悪意のない行為だからこそ発生するリスクが往々にして存在します。
情報が漏洩すると、損害賠償、企業の信用低下、機会損失の発生、ノウハウの消失、売上減少など企業の根底である事業活動に大打撃を与えます。

端末持ち出しによるインシデント事例や対策についての詳細はこちら
https://ismcloudone.com/column/?p=20

【4】便利とリスクは表裏一体

テレワークは、緊急の一時的な措置ではなく今後も継続的に行うことで効果が表れることは違いありません。
その際には、メリットだけを見て準備をするのではなく、リスクも一緒に考えそれに対する準備を行ってください。

これは車やバイクといった乗り物を使うのも同じですよね。
車やバイクに乗ると、労力も時間も縮小されて便利になること間違いなしです!
しかし、リスクを考えず「ヘルメットを被る」、「シートベルトをする」、「鍵をかける」といった対策を怠った結果、事故が起きてしまった場合は一生にかかわる損害が発生します。

「あの時しておけば良かった。」とならないように対策しておくことで、着実と企業価値発展へとつながります。

【5】最後に

対策すべき事象やリスクについて、貴社の検討及び対策実施状況はいかがでしたでしょうか。

運用ですぐに対応できるものもあれば、システムやサービスの導入が必要な対策もあります。テレワークは”一時的”ではなく、”継続的”に行うことでより効果を発揮します。自社の状況を見直していただき不足しているものは対策をご検討下さい。

テレワークのコストダウンで見込める費用を、前向きにリスク回避として投資してみてはいかがでしょうか。

貴社の企業価値向上に貢献できる一考の一つになれば幸いです。

【弊社がお役立てできるところ】
・端末の遠隔サポート環境
・マルウェア感染対策
・情報漏洩対策
・端末の不正利用防止 など

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