初回公開日:2021年2月22日
企業では、業務に必要なソフトウェアやクラウドサービスを導入し、従業員が日々利用しています。利用するソフトウェアやサービスが増えるほど、「どのライセンスを契約しているのか」「誰が利用しているのか」「契約したライセンス数を超えていないか」といった情報を適切に整理することが重要になります。
また、Microsoft 365などのSaaSやサブスクリプション型サービスの普及により、ライセンス管理の対象も広がっています。PCにインストールされたソフトウェアだけでなく、ユーザーや利用状況なども含めて、継続的に管理することが求められています。ライセンス管理を適切に行うことで、ライセンスの不正使用を防ぐだけでなく、契約内容の見直しや管理業務の効率化にもつながります。
本記事では、ライセンス管理の基本から、管理が必要な理由、具体的な管理方法、SaaS・サブスクリプション型サービスの普及による変化、ツールを活用するメリットまで解説します。

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1:ライセンス管理とは
ソフトウェアやクラウドサービスには、それぞれ利用できる範囲や条件が定められています。ライセンス管理では、こうした契約内容を確認し、実際の利用状況と照らし合わせながら適切な状態を維持します。
ライセンスとは
ライセンスとは、ソフトウェアやサービスなどを使用するために、提供元から与えられる使用許諾のことです。ソフトウェアは、コピーやインストール、利用者の変更などが比較的容易にできるため、提供元は「誰が」「どのような環境で」「何台まで」「いつまで」利用できるのかなど、使用条件を定めています。
ソフトウェアを利用する際は、購入時や契約時に定められた使用許諾契約やライセンス条件に従う必要があります。また、SaaSやサブスクリプション型サービスでは、ユーザー単位でライセンスを契約・割り当てるなど、サービスによって仕組みが異なります。そのため、ライセンスを管理する際には、単純に「いくつ契約しているか」だけでなく、契約内容や利用条件を確認したうえで、適切に利用できているかを確認することが大切です。
ライセンス管理とは
ライセンス管理とは、ソフトウェアやサービスの契約内容、保有するライセンス、利用者や利用状況などを整理し、契約で定められた条件に沿って適切に利用できているかを管理することです。
例えば、ライセンスの種類や数量、利用条件、利用者、インストールされているデバイス、契約期間などを確認します。
従来は、PCにインストールされたソフトウェアとライセンスを照合することが管理の中心でした。しかし、SaaSやサブスクリプション型サービスの普及により、PCにインストールされたソフトウェアだけでなく、ユーザーアカウントへのライセンス割り当てなども管理対象になっています。
ライセンス管理が必要な理由
ライセンス管理が必要なのは、ソフトウェアやサービスを契約で定められた条件に沿って利用するとともに、ライセンスの過不足を防ぎ、適切に活用するためです。
ライセンス管理が不十分だと、契約したライセンス数を超えて利用したり、使っていないライセンスの契約を継続したりする可能性があります。また、利用するソフトウェアやサービスが増えるほど、契約内容や利用状況を把握することも難しくなります。
そのため、ライセンス管理では、契約・保有状況と実際の利用状況を確認し、適切な状態を維持することが重要です。
2:ライセンス管理を怠ることで起こるリスク
ライセンス管理を適切に行わないと、契約条件に反したソフトウェアの利用だけでなく、不要な契約の継続や管理業務の負担増加など、さまざまな問題につながります。
ここでは、ライセンス管理を怠ることで起こりやすい主なリスクを紹介します。
ライセンスの不正使用につながる
ライセンス管理が不十分だと、契約で定められたライセンス数や利用条件を超えてソフトウェアを使用してしまう可能性があります。
例えば、次のようなケースがあります。
カジュアルコピー
カジュアルコピーとは、違法であることを意識しないまま、ソフトウェアなどの著作物をコピーして使用する行為です。「業務で少し使うだけ」「社内で使うだけ」といった理由で、必要なライセンスを確認せずにソフトウェアをコピーしてしまうケースがあります。
違法であることを知らなかったとしても、契約や法律で認められていない利用が許されるわけではありません。
ライセンスの貸し借りやアカウント共有
他の従業員が契約しているライセンスを別の従業員が利用したり、1つのアカウントを複数人で共有したりするケースです。
特にIDとパスワードを入力すれば利用できるSaaSでは、誰にライセンスが割り当てられているのかを確認していないと、意図せず契約条件に反した利用につながる可能性があります。
ライセンス数を超えた使用
契約しているライセンス数を超えて、ソフトウェアやサービスを利用するケースです。
従業員の増加や新しいPCの導入などによって利用者が増えたにもかかわらず、ライセンスの追加購入や割り当てを行っていないと、契約数が不足する可能性があります。
違法ダウンロードや海賊版ソフトウェアの使用
インターネットを通じて不正にダウンロードしたソフトウェアや、不正コピーされたソフトウェアを使用するケースです。
正規の提供元から入手したものではないソフトウェアには、マルウェアなどが仕込まれている可能性もあるため、ライセンス上の問題だけでなく、セキュリティ面にも注意が必要です。
不要なライセンスの契約が続く
ライセンス管理では、契約条件だけでなく、保有しているライセンスが実際に利用されているかを確認することも重要です。
例えば、退職した従業員が利用していたSaaSのライセンスを解除せず、そのまま契約を継続しているケースがあります。他にも、業務内容の変更などでソフトウェアを利用しなくなったにもかかわらず、契約を見直していない場合もあります。
このような状態では、利用していないサービスに対しても費用が発生します。
特にサブスクリプション型サービスでは、契約を継続している限り料金が発生するため、利用者の変化に合わせて契約内容を見直すことが大切です。
ライセンスの管理業務が複雑になる
ライセンスの対象となるソフトウェアやサービスが増えるほど、確認する情報も多くなります。さらに、従業員の入社・異動・退職やPCの入れ替えなどが発生するたびに、ライセンスの割り当てや解除、移行などの対応が必要です。
管理対象が増えると、Excelなどへの手入力だけでは情報の更新が追いつかず、入力ミスや更新漏れが発生する可能性もあります。
担当者が複数の台帳や管理画面を確認しなければならなくなると、ライセンスの状況を確認するだけでも時間がかかります。
コンプライアンスや監査への対応が難しくなる
ライセンスの利用状況を適切に記録していないと、ソフトウェアの提供元から利用状況について確認を求められた際に、必要な情報をすぐに提示できない可能性があります。
どのライセンスを契約し、誰がどのソフトウェアやサービスを利用しているのかが分からなければ、契約条件に沿って利用していることを確認するのも難しくなります。
こうしたリスクを防ぐには、契約内容と実際の利用状況を継続的に確認することが重要です。
3:ライセンス管理で確認すべき3つのポイント
ライセンスを適切に管理するためには、契約しているライセンスの情報を整理するだけでなく、実際の利用状況まで確認することが重要です。
ライセンス管理では、次の3つのポイントを押さえておきましょう。

1.契約・保有状況を把握する
まずは、どのソフトウェアやサービスを、どのような条件で、どれだけ契約・保有しているのかを確認します。同じソフトウェアであっても、バージョンや契約形態によって利用条件が異なる場合があります。
また、PCにインストールして利用するソフトウェアだけでなく、ユーザーアカウントにライセンスを割り当てて利用するSaaSなどもあるため、サービスごとの契約条件を確認しておく必要があります。ライセンス管理の第一歩は、社内で利用しているソフトウェアやサービスを洗い出し、契約内容と保有数を整理することです。
2.利用者・利用状況を把握する
契約しているライセンスや保有するライセンスを確認したら、次に「誰が」「どのソフトウェアやサービスを」「どのように利用しているか」を確認します。
PCにインストールして利用するソフトウェアであれば、どのデバイスにインストールされているか、誰が利用しているか、契約数を超えていないかなどを確認します。
SaaSやサブスクリプション型サービスの場合は、ユーザーアカウントへのライセンス割り当て状況や、実際の利用状況を確認することも重要です。
3.ライセンスを最適化する
契約・保有状況と利用状況を確認したら、その情報をもとにライセンスを適切な状態へ調整します。契約しているライセンス数に対して利用者が多い場合は、追加のライセンス購入が必要になります。反対に、利用していないライセンスがある場合は、他の従業員への再割り当てや契約内容の見直しを検討できます。ライセンスの最適化では、単に契約数を減らすのではなく、契約内容と実際の利用状況を照らし合わせ、適切な数量・割り当てに調整することが重要です。
4:SaaS・サブスクリプション型サービスの普及でライセンス管理は変化している
SaaSやサブスクリプション型サービスの利用が広がったことで、ライセンス管理ではユーザー単位での管理や、利用者の変更に合わせた対応が必要になっています。
ここでは、SaaSやサブスクリプション型サービスの普及によって、ライセンス管理で求められる対応の変化を解説します。
ユーザーアカウントにライセンスを割り当てるサービスが増えている
SaaSやサブスクリプション型サービスでは、ユーザーアカウントにライセンスを割り当てることで、契約したサービスを利用できるようにする仕組みがあります。
例えばMicrosoft 365では、ユーザーアカウントごとにライセンスを割り当てられるほか、グループ単位でライセンスを管理することもできます。
このようなサービスを利用する企業では、ライセンス管理の対象が「ソフトウェアとPC」だけではなく、「ユーザーアカウントとサービス」へ広がっていることを理解しておく必要があります。
入社・異動・退職に合わせたライセンス管理が必要
ユーザーアカウントにライセンスを割り当てるサービスでは、従業員の入社・異動・退職に応じて、割り当てを変更する必要があります。
例えば、新入社員が業務でMicrosoft 365やデザインソフトを利用する場合は、必要なライセンスを割り当てます。一方、従業員が退職した場合は、そのユーザーに割り当てていたライセンスを解除し、必要に応じて別の従業員へ再割り当てします。
このように、アカウント単位でサービスを利用する場合は、従業員の人事異動とライセンスの割り当てを連動させることが必要になります。
未使用ライセンスを確認する
サブスクリプション型サービスでは、契約しているライセンスが実際に利用されているかを確認することも重要です。
ユーザーにライセンスを割り当てていても、実際にはサービスを利用していない場合があります。こうした利用状況を確認することで、契約しているプランやライセンス数が自社の利用実態に合っているかを判断できます。
契約数だけでなく利用実績も確認し、必要に応じて契約内容を見直すことが、サブスクリプション型サービスの適切な管理につながります。
5:ライセンス管理の方法
ライセンス管理の方法には、Excelなどの表計算ソフトを利用する方法と、ライセンス管理やIT資産管理に対応したツールを利用する方法があります。
管理するソフトウェアやサービスの数、従業員数、ライセンスの更新頻度などを考慮し、自社で継続できる方法を選ぶことが大切です。
Excel・スプレッドシートで管理する
ライセンス管理の方法として、Excelやスプレッドシートなどを使って管理台帳を作成する方法があります。
例えば、次のような情報を一覧化しておきます。
- ソフトウェア・サービス名
- 契約先
- 契約ライセンス数
- 利用者
- 利用しているデバイス
- 契約開始日・終了日
- 契約更新日
- ライセンスの利用状況
専用のツールを導入する必要がないため、比較的手軽に始められることがメリットです。
一方で、ソフトウェアやSaaSが増えたり、従業員の入社・異動・退職などによって利用者が変わったりすると、台帳の更新作業も増えていきます。
また、台帳に記載された情報と実際の利用状況に差が生じると、ライセンスの過不足を正確に確認できなくなる可能性があります。
そのため、Excelやスプレッドシートで管理する場合も、誰が情報を更新するのか、どのタイミングで確認するのかといった運用ルールを決めておくことが重要です。
ライセンス管理ツールを利用する
管理するソフトウェアやサービス、デバイスが増えてきた場合は、ライセンス管理に対応したIT資産管理ツールなどを利用する方法があります。
ツールを利用することで、ライセンス情報だけでなく、PCなどのデバイス情報やインストールされているソフトウェアの情報をまとめて確認できる場合があります。
手作業で複数の台帳を照合する必要がなくなれば、確認や集計にかかる負担を軽減できます。また、SaaSやサブスクリプション型サービスの利用が増えている企業では、ソフトウェアだけでなく、ユーザーやデバイスなどの情報を含めて管理できる仕組みを検討することも重要です。
自社の管理状況に合った方法を選ぶ
ライセンス管理では、どのような方法を選ぶかだけでなく、契約内容と実際の利用状況を継続して確認できる状態をつくることが重要です。
管理対象が少ないうちはExcelなどで対応できても、利用するソフトウェアやSaaS、デバイス、ユーザーが増えると、手作業による更新や照合作業の負担が大きくなる可能性があります。
自社で管理するライセンスの数や種類、従業員数、利用するサービスの増加状況などを踏まえ、無理なく続けられる方法を選びましょう。
6:ライセンス管理ツールを活用するメリット
ライセンス管理の対象となるソフトウェアやSaaS、デバイス、ユーザーが増えると、Excelやスプレッドシートだけで情報を管理することが難しくなる場合があります。
ここでは、ライセンス管理ツールを活用する主なメリットを紹介します。

ライセンスの保有状況と利用状況を確認しやすくなる
ライセンス管理ツールを利用することで、契約しているライセンス数と実際の利用状況を確認しやすくなります。
例えば、契約しているライセンスと利用者を照合したり、利用されていないライセンスを確認したりすることで、現在の契約状況を整理できます。
ライセンス管理の業務負担を軽減できる
Excelなどで管理する場合、デバイスやソフトウェア、ユーザーなどの情報を手作業で入力・更新し、複数の台帳を照合しなければならないことがあります。管理対象が増えるほど、情報の更新や確認にかかる時間も増えていきます。
ライセンス管理ツールでは、デバイスやソフトウェアの情報を収集して一覧化したり、管理画面から状況を確認したりできるため、手作業による確認や集計の負担を軽減できます。
IT資産を一元的に管理しやすくなる
ライセンス管理では、ライセンスだけを確認すればよいわけではありません。
例えば、PCにインストールされているソフトウェアを確認するには、どのPCを誰が使用しているのかというデバイス情報も必要です。
そのため、ライセンス管理とIT資産管理を組み合わせることで、「誰が」→「どのデバイスで」→「どのソフトウェアやサービスを」→「どのライセンスで利用しているか」という関係を確認しやすくなります。
複数の台帳や管理画面に分散していた情報をまとめることで、ライセンスの確認だけでなく、IT資産全体の管理効率化にもつながります。
ライセンスの適正な利用を維持しやすくなる
ライセンス管理は、一度情報を整理すれば終わるものではありません。
新しいソフトウェアやSaaSの導入、従業員の入社・異動・退職、PCの入れ替え、契約更新など、企業の環境が変化するたびにライセンスの利用状況も変わります。
そのため、現在の契約内容や利用状況を確認できる仕組みを整えることが重要です。
ライセンス管理ツールを活用することで、日々変化するIT環境に合わせて情報を更新しやすくなり、ライセンスの適正な利用を維持しやすくなります。
ライセンス管理で契約・利用状況を把握し、適正な利用につなげる
ライセンス管理とは、ソフトウェアやサービスの契約内容、保有するライセンス、利用者や利用状況などを把握し、契約で定められた条件に沿って適切に利用できているかを管理することです。
SaaSやサブスクリプション型サービスの普及によって、ユーザーアカウントにライセンスを割り当てて利用するケースも増えています。そのため、PCにインストールされたソフトウェアだけでなく、誰がどのサービスを利用しているのか、ライセンスが適切に割り当てられているのかまで確認することが重要です。
ライセンス管理では、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 契約・保有するライセンスの状況を把握する
- 利用者・利用状況を把握する
- 利用状況に応じてライセンスを最適化する
ライセンス管理を適切に行うことで、不正使用の防止だけでなく、契約内容の適正化や管理業務の効率化にもつながります。管理するソフトウェアやSaaS、デバイス、ユーザーが増えて手作業での管理が難しくなった場合は、IT資産管理ツールなどを活用して情報を一元管理する方法も検討しましょう。
ISM CloudOneは、PCなどのIT資産情報やソフトウェアの利用状況を一元的に把握できるクラウド型IT資産管理ツールです。ライセンス管理を含めたIT資産の管理業務を効率化したい場合は、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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